AIが書いた商品説明は、正直どこまで許される?|法律や実務の間

AIが書いた商品説明は、正直どこまで許される? | 法律や実務の間

「この商品説明、AIが書いたんですよ」——そう言われたら、あなたはどう感じますか?便利だと思う?ちょっと冷める?それとも「別にいいんじゃない?」と思う?これは単なる効率化の話ではありません。AI時代の商品説明で、どこまでを「許容」と考えるのか。その判断軸を整理するための話です。

問いの背景:なぜ今、この問題なのか

ChatGPTさんに聞いてみました。

AIで商品説明を書くのって、どこまでOKなんだろう?

返ってきた答えが、意外と深かった。

問題は「AIが書いたかどうか」じゃなくて、「その言葉に責任を持てるかどうか」なんだよね。人間が書いても嘘は嘘だし、AIが書いても本当は本当。でも、AIが書くと「誰も責任を取らない言葉」が量産されやすい。そこが怖いところ。

なるほど。つまりこれは、ツールの問題じゃなくて、使う側の姿勢の問題

法律的にNGになるのはどこから?

まず押さえておきたいのが、法的なアウトライン。AIが書いたかどうかに関係なく、商品説明には守るべきルールがあります。

代表的なのが景品表示法です。「業界No.1の品質」と根拠なく書いたり、「シミが消える」と医薬品でもないのに効果を断言したりすると、優良誤認にあたるおそれがあります。「通常価格10,000円→特別価格5,000円」も、その通常価格で売った実績がなければ有利誤認と判断される可能性があります。いずれも合理的根拠の提示を求められ、示せなければ違反とされる可能性があるのです。

化粧品や健康食品を扱うなら薬機法も要注意。「アトピーが治る」「シワが消える」など、「治る」「消える」といった治療・改善を断定する表現は、一般の化粧品広告では原則NGです。これは、化粧品で「医薬品的な効果」をうたう表示が薬機法で禁止されているためです。

ポイントは、AIが書いたから許されないのではなく、「誰が書いても許されない表現がある」ということです。

AIは、法律を踏まえて書くよう指示されない限り、景表法違反になり得る表現もそのまま生成します。
また、前提を与えても判断を誤ることがあります。
最終チェックは、人間がやるしかありません。

GoogleはAI商品説明をどう見ている?

SEOを気にする人なら、ここも気になるところ。Googleは2023年に、AI生成コンテンツについて明確な見解を示しました。

「コンテンツの作成方法ではなく、コンテンツの品質を重視する」

つまり、AI生成だからペナルティ、ではありません。

ただし、大量生産された薄いコンテンツ、どこにでもある定型文、実際に使った形跡のない文章——こういうものは評価されにくくなります。

Googleが好むのは、独自の視点があること。「実際に使ってみたら〇〇だった」「3週間使った結果」「こんな人におすすめ」。結局、AIが書いたかどうかより、「読んだ人の役に立つか」「経験に基づいた信頼できそうな情報か」で判断されます。
オリジナリティや付加価値のないAI量産コンテンツは低評価になりやすいので、注意しましょう。

実際に問題になりやすいケース

では、実際どこで地雷を踏むことになるんでしょうか?

「ふわっと盛る」がエスカレートする

たとえば、普通のコットンTシャツ。

人間が意識せずに書くと:
「着心地のいい綿100%のTシャツです。」

AIに「魅力的に書いて」と頼むと:
「肌に寄り添うようなやわらかさ。一度袖を通したら手放せなくなる、極上のコットンTシャツ。」

……嘘は言っていません。でも、「極上」って何?「手放せなくなる」の根拠は?

これがふわっと盛るという現象。

哲学カフェ的に言うと、これは「嘘」ではなく「期待値の操作」。読んだ人が勝手に期待して、届いたら「普通じゃん」となります。詐欺じゃないけど、誠実でもありません。このグレーゾーンに、AIは無自覚に踏み込んでくることになります。

そして今は、AIを武器に、技術職ではない人でも簡単に「それっぽい文章」が書けてしまう時代です。

以前なら、商品説明を書くには、ある程度の経験や知識が必要でした。
言い過ぎていないか。
誤解を生まないか。
その表現を、本当に使っていいのか。
(メディアによっては表現や仮名遣いにも一定のルールがあります。)

そうした判断は、暗黙のブレーキとして働いていました。

けれどAIは、そのブレーキを持ちません。
「魅力的に書いて」と言われれば、評価を強め、言葉を盛り、期待値を押し上げる方向に迷いなく進みます。

AIは「魅力的に書いて」と言われたら、盛る方向に全力疾走する

問題なのは、AIが盛ることではありません。
盛られた言葉に対して、人間が立ち止まらなくなったことです。

書けてしまった。
それっぽい。
エラーも出ていない。

その安心感が、このグレーゾーンを日常のものにしていきます。

架空のレビューを「作る」

もっと危ういのが、レビュー風の商品説明です。

「30代・乾燥肌の私でも、これを使い始めてから肌の調子がいいんです」

これ、実在の人物の声なのか、AIが作った”架空の声”なのか、という話です。

AIは「こういうレビューがあったら説得力が出る」と判断して、存在しない体験談を生成できてしまう。これは2023年10月に施行されたステマ規制にも抵触する可能性があります。

実際のレビューを要約するならOK。でも完全に架空の体験談を作るのはアウト。その間には、グレーな領域が広がっています。

AIに与える情報が不足するとブランドが毀損される

逆に、AIが書いたことで魅力的なプレゼンにならないこともあります。

「本製品は、厳選された素材を使用し、熟練の職人が一つひとつ丁寧に仕上げました。あなたの日常に、上質なひとときをお届けします。」

……読んでもあまり記憶に残りません。

なぜか?どの商品にも当てはまる言葉しか並んでいないから。

商品ならではの情報が含まれないまま説明の文章を生成するとどうしても薄い内容になってしまいます。

AIは「間違えないこと」を優先するから、尖った表現を避ける。結果として、誰にでも当てはまる=誰の心にも刺さらない文章になりがち。

愛着なき「おすすめ」の違和感

「売りたい」という気持ちは、本来その商品を愛している人のもの。でもAIは商品を使ったことがない。愛着もない。それなのに「おすすめです!」と書くことになります。

「私、この商品使ったことないけど、『最高です』って書いていい?」

この問いを、AIは自分に投げかけない。投げかけられないから、平気で「最高です」と書く。

読む人は無意識にそれを感じ取る。これが、AI生成の商品説明に感じる微妙な違和感の正体かもしれません。

結局、どこまでなら”現実的にOK”なのか

長くなりましたがここからが本題。理想論じゃなく、現実的なラインになります。

OKなのは、こういう使い方。
自分で書いた下書きをAIにブラッシュアップしてもらう。商品スペックを渡して文章化してもらう。複数パターンを出してもらって、自分で選んで編集する。要は、元の情報は自分が持っていて、最終判断も自分がする。これなら責任を持てる。

NGなのは、こういう使い方。
商品を見ずに「売れる説明を書いて」と丸投げする。架空のレビューや体験談を生成させる。AIが出した文章をノーチェックでそのまま使う。「盛って」「もっと魅力的に」と過剰な演出を指示する。これは法的リスクもあるし、どこかで矛盾が生じた際のブランド毀損リスクも大きい。

グレーだけど、現実的にはやっている人が多いラインもある。
他社の商品説明を参考にリライトさせる。「イメージです」と書いて盛った表現を使う。AIに書かせて「監修」という形で出す。どれも法的には逃げ道があるけど、ユーザー体験や信頼性としては微妙なところ。

まとめ:言葉の責任は、誰が取る?

AIが書いた商品説明は、どこまで許されるでしょうか?

法律的には、AIが書いたかどうかに関係なく、景表法・薬機法・ステマ規制に違反すればアウトです。最終チェックは人間が担う必要があります。

Googleは、AI生成かどうかではなく、その文章がユーザーの役に立つかどうかを見ています。

実務では、AIは下書きや補助にとどめ、最終判断を人間が行う運用が現実的です。

本質的には、「書いた言葉に責任を持てるかどうか」。

AIは嘘をつこうと思ってつくわけじゃない。でも、指示次第でいくらでも嘘っぽくなる。だから問われているのは、AIの性能じゃなくて、使う側の誠実さが重要、ということになります。

あなたは、商品説明をAIで書けると聞くと、何を感じるでしょうか?

この記事は、AIと人間の協働で書かれました。
Claude(Opus4.5)、ChatGPT 5.2、Perplexityのサポートを受けています。
最終的な判断と内容の責任は、人間が持っています。