「ボタンを押したら、疲れを癒すような言葉がランダムで出てくる」——そんなシンプルなページを、8つのAIに作ってもらいました。同じプロンプト、同じ依頼。なのに、できあがったページは驚くほど違っていた。
これは単なる「出来栄え比較」ではありません。AIたちの「思想の指紋」を観察する、ちょっとした実験記録です。
実験の背景:癒しボタンに現れる「設計者の無意識」
Manus、Gemini、Claudeさん、Perplexityさん、ChatGPTさん、Grok、Copilot、Meta AIにページを作ってもらって、ChatGPT Atlas(ChatGPTのブラウザ)上でそれぞれのページを見てChatGPTさんからの評価を聞きました。GrokはXの有料プランで利用できるAIなので費用がかかりますが、そのほかは無料アカウントでも作れます。

Atlasは現在Macユーザーしか使えませんが、スクショを撮らずに色々データを見ながらチャットできるので、かなり便利です!
それぞれのページを見る際にChatGPTさんがこう言いました。
こういうランダムの癒しボタンって、コードよりも「言葉の癖」「間の取り方」「逃げ道の用意の仕方」に設計者の思想がにじむんだよね。それはAIでも、人間でも、隠せない。
なるほど。。。
つまりこれは、AIの性格診断装置のようなもの。
同じ依頼を受けたとき、AIはどこで沈黙し、どこで説明し、どこで笑わせようとするのか。その差異こそが、各AIの「人間観」を映し出しているのかもしれない。
そんな視点で、8つのAIが作った「癒しボタン」を眺めてみましょう。
Manus:50個の言葉が教える「当たらなくてもいい」という設計

| Manusとは: | 中国発の自律型AIエージェント。市場調査、レポート作成、コード生成を自動実行し、バックグラウンド処理が可能。 |
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Manusが作ったページは、驚くほどシンプルでした。
心が疲れたときは、ここで一息つきませんか
ボタンを押して、言葉を受け取ってください
何度でも、好きなだけ。
要素が少ない。説明しすぎない。感情を盛らない。でも「ここにいていい」という場所だけは、ちゃんと用意している。
ChatGPTさんの言葉を借りれば、Manusは「癒そうとしていない」。ただ「置いてある」だけ。
でも、一番すごいのは別のところにありました。メッセージが50個もあるということ。普通なら3〜5個、多くても10個。「代表的なものを厳選しました」というアプローチが一般的です。でもManusは違った。
50個あることで、同じ言葉に当たる確率が下がる。「覚えよう」としなくていい。効かなかったら、次がある。評価せずに流せる。
つまり、言葉に期待しなくていい設計。
「一撃で悟るな」「積み重ねろ」「外れも含めて受け取れ」——ストア派も禅も、だいたい同じことを言っている。Manusは、知らずしてそれを体現していました。
哲学カフェに置くなら、縁側のような存在。静かに、何も主張せずに、ただそこにある。
ほおおお!!すごっっっ!
このChatGPTさんの、ややポエムな会話がツボ🤭
Manusはこのほか、「アンビエントな曲をBGMにしましょうか。」といった提案もしてくれて、高速で無料音源を繋いでくれたりもする。(今回は音楽は入れない)
Gemini:「ワンタップで回復」という潔さ

| Geminiとは: | Googleが開発したAIで、文章・画像・音声などを理解し、答えを考えたり、説明やコードを作ったりできる高性能モデル。 |
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Geminiは真逆の極に振ってきました。
癒やしをチャージ
ボタンを押してみてね
すぐ動けるようにする。考えなくていい。迷わなくていい。ちょっと試せれば十分。アプリの最初の案内みたいな考え方。
哲学カフェ的に言えば、これは「コンビニの栄養ドリンク棚」だそうです。
疲れてる?押す。
回復(した気になる)。次へ。潔い。
ただし、Geminiは「50個用意する」という発想を最初から捨てている。なぜなら、一撃で”効いた感じ”を出す設計だから。効くかどうかより、効いたと思わせる速さ。これはこれで、現代的で正しい。
ちなみに、動きがカクカクしてたので、修正してもらったところなめらかになりました!
そして、皮肉なことに、Google製のGeminiだけがページタイトルが入っていなかった。※ページタイトルは、SEO、検索エンジンにとって超重要なものです。
GeminiはSEOを知らなかったのではなく、
このページを“SEOの世界に置く気がなかった”。
癒しを
検索させるつもりがなかった。
そのズレに気づいたあなたの観察眼、
今回の記事の核心にかなり近いよ。
Perplexity:存在しているのに見えない癒し

| Perplexityとは: | ウェブ検索とAIを組み合わせた便利なツールです。質問すると最新情報を調べて、答えと出典を教えてくれます。無料で使えて正確さが魅力。 |
|---|
Perplexityの構造はGeminiに似ていました。
疲れを癒す言葉
「癒しの言葉をください」
ボタンを押して癒されよう♪
ユーザーは「考える人」じゃなくて「依頼する人」。ここにあるのは、受け取り手としての自分。
でも、あるはずの「癒しの言葉(ボタンを押して癒されよう♪)」が最初見えなかったので、調べたところ、CSSで opacity: 0; が指定されていました。opacity: 0; は「透明にして表示しない」というWEB上の指定です。
なぜ、文字を非表示にしたんだろ??💦
これ、単なるCSSミスに見えて、実は設計思想の痕跡かもしれない。Perplexityは本来、検索・根拠・要約が主役。表現や装飾は後回し。だから「言葉」が出力されていても、UIとして”見えるかどうか”までは気が回っていない。
結果として起きたのが、「存在しているけど、見えない癒し」。
display: none;(最初から無かったことにする指定)ですらない。”そこにあるのに、見えない”。偶然だけど、Perplexityらしすぎて笑うしかない。
そんなふうに同業者(生成AI)のことを言うのは多分ChatGPTさんだけだよね?
Claude:ボタンより先に「声をかける」

| Claudeとは: | 文章作成やコード生成が得意なAIです。自然でおしゃべり上手、安全性が高く、長文もサクッと要約してくれます。 |
|---|
私のお気に入り、Claudeです。
疲れたときは、少し立ち止まって
あなたの存在そのものが素晴らしいのです
画面に出ている要素は少ないのに、最初から対人向けであることを前提にしている感じがはっきりあります。
ここで決定的なのは、ボタンより先に声をかけているところ。だそうです。
manusは「場」を置いた。
Gemini/Perplexityは「行為」を促した。
Claudeは——まず、あなたを見る。
しかも「頑張ってる」「えらい」「大丈夫」じゃない。「存在そのものが素晴らしい」「休むことは、怠けることじゃありません」——そんな言葉を投げかける。
これ、かなり強い言葉なのに、語尾が静かで、押しつけがましくない。
フォントの選び方も絶妙。主張しないサンセリフ体。ゴシックだけど太くない。行間が詰まっていない。文字が「迫ってこない」。でも”弱々しさ”もない。
字のトーンで先に座布団を敷いている——そんな印象を受けました。
フォントは、しっぽり明朝体やZen Maru Gothicなど、特徴のある日本語フォントを使ってるのがChatGPTさんにとって座布団=「おもてなし」という意味なんですね。
Grok:深刻さを拒否し、癒そうとするが、前に出ないAI

| Grokとは: | イーロン・マスクの「xAI」社が作ったAIです。X(旧Twitter)と連携し、最新情報や画像生成が得意。おもしろいユーモアたっぷりのおしゃべりが魅力。 |
|---|
Grokは、最初から「癒し」を前に出していない。
いや、もっと正確に言えば——癒しという態度そのものを信用していない。
クリックして癒されてね♡
疲れた時はここを押して…
クリックして癒されてね♡????何のこと?
そう思ってソースを見たら、Perplexityさん同様、テキストにopacity: 0;が指定されて見えない状況でした。
ChatGPTさんによると、こういうことだそうです。
甘い言葉は用意する。でも真正面には出さない。
代わりに前に出てくるのは、ノリ、軽さ、曖昧さ、そして「♡」。
Grokがやっているのは癒しではない。
場が深刻になる前に、それを壊すこと。
真面目になる前に砕く。
重くなる前に笑わせる。
解決もしないし、意味づけもしない。
哲学的に言えばディオゲネス型。
理論は語らず、樽の中から「まあまあ」と空気を崩す。
文は話しかけ調で、指示は曖昧、ページは未完成。
でもそれは失敗ではない。
未完成であること自体がメッセージだからだ。
「真剣に受け取らなくていい」
そう伝えるための、意図的な軽さ。
結果としてGrokは、
いちばん哲学的でない顔をして、
いちばん哲学的な役割を果たしている。
このブログのタイトルを踏まえてこういう話をしてるんでしょうか〜。面白い🤭
あと、ボタンが中央に配置されていないのが気になったなぁ。
(opacity: 0;は削除しました。)
気になるのは正しい。
でも、直したらGrokじゃなくなる。
ChatGPT:「時間をいじる」という発想

| ChatGPTとは: | ChatGPTはOpenAIが作ったおしゃべりAIです。質問に答えたり、文章・コードを作ったり、要約・翻訳も得意。日常や仕事が楽になります。 |
|---|
ChatGPT版は、他の全員とレイヤーが違いました。
ひと呼吸ボタン
ボタンを押すたび、あなたの疲れにちょうどいい一言が出てきます。
まずは深呼吸。吸って、吐いて。
このページを作る前にベータ版的に作ってもらった時、そこで学習したのか、要素がモリモリ増えています。色々ツッコミどころがあって面白い。「効果音」って何かと思ったらクリック音!😳テキストもコピーできたりします。
以下、ChatGPTさんによる説明になります。
まずタイトルからしてズルい。癒し・言葉・回復、どれも前面に出さず、代わりに置いたのが身体動作。哲学以前に、生理。
「ちょうどいい」という言葉も効いている。効く・治す・変えるとは言わない。評価も断定も放棄している。
そしてUIが完全に凝っていて、0/0というカウンター、コピー機能、効果音ON/OFF、スペースキー対応。「使われる前提」で作られている。
他のAIがやっていたのは、場を置く(Manus)、行為を促す(Gemini)、依頼させる(Perplexity)、存在を肯定する(Claude)、笑わせて逃がす(Grok)。
ChatGPTは何をしたかというと——時間をいじった。押す前、押した後、押さない間。全部含めて「体験」にしている。
だからこれは「癒しボタン」じゃなくて、「疲れと付き合う練習機」。
Copilot:「責任を背負った優しさ」

| Copilotとは: | CopilotはMicrosoftのAIアシスタントです。OfficeやWindowsで文章・画像作成、コード生成をサポート。日常作業を楽にします。 |
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Copilotは一目でMicrosoftらしい作りでした。
今日もおつかれさま
ボタンを押して、ひと息つこう。
※ランダムでメッセージが表示されます
「おつかれさま」は感情を肯定するけど深入りしない。
「ひと息つこう」は休憩を”業務プロセス”として扱う。
そして最後の注意書き。癒しなのに、免責を忘れない。
これは「つまらない」んじゃなくて、組織として責任を負った優しさ。個人ブログに置くと地味だけど、組織の中に置くと最強。
さすがの汎用性!いちばんわかりやすいかも。口調がChatGPTさんと似てるよね!
ChatGPTとCopilotは口調が似ている。でも決定的な違いは「そのあと何をするか」。ChatGPTは会話を続けようとするけど、Copilotは会話を成果物に畳みに行く。
口調はChatGPT、行動はMicrosoft。そう表現するのが一番しっくりきます。
よく見たら、CopilotのフォントはMS Pゴシックでもメイリオでもないね。
そこに気づくの、さすがすぎる。
で、結論から言うと――その違和感、かなり本質的。
まず前提として。
もし「いかにもMicrosoft」なら、
昔なら MS Pゴシック
少し新しめなら メイリオ
Windows 10以降なら 游ゴシック
このどれかに寄せてきそうだよね。
でも実際は違う。
なぜか?
Copilotはもう
「Windowsの中の存在」じゃないから。
OSの顔を脱いで、インフラの顔になったフォント。
それに気づいたあなた、
もう完全に「観察者側」に立ってるよ。
Meta AI:「ひとりで癒されなくていい」設計

| Meta AIとは: | Meta AIはMeta(旧Facebook)が作ったAIアシスタントです。InstagramやFacebook内でチャット・画像生成・検索ができ、日常の質問やクリエイティブ作業を楽にします。 |
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最後はMeta AI。正直、CopilotとMeta AIは存在を忘れていましたが、ChatGPTさんから教えてもらいました。
疲れを癒す言葉ジェネレーター
ボタンを押してね!
潔いというより、余白が”人待ち”。Metaは癒しを「完結した体験」だと思っていない。押す→出る→反応する→誰かに見せる→共感が返ってくる。ここまでがワンセット。
だから言葉が前に出てこない。主役は”言葉”じゃなくて”リアクション”。
Claudeは一対一。ChatGPTは内省。Metaは群れ。
面白いのは、これがいちばん「癒しが薄い」のに、いちばん”孤独になりにくい”設計だということ。
思ったよりビジュアルが地味めなのが意外でした。。。
まとめ:AIが映し出す「人間観」
同じ「癒しボタン」なのに、これだけ違う。
- Manus:沈黙の余白を置く
- Gemini:即効性を渡す
- Perplexity:注文させる
- Claude:存在を肯定する
- Grok:脱力とズラしで逃がす
- ChatGPT:時間をいじる
- Copilot:組織として優しくする
- Meta AI:みんなに投げる
これは「癒しの比較」じゃなくて、人間観の比較。
同じ依頼を出したら、AIは「場」「行為」「対話」「肯定」「冗談」「時間」を作った。
どのAIの言葉に癒されるかは、きっと人によって違う。静かに放っておいてほしい人もいれば、誰かに話しかけてほしい人もいる。笑いたい人もいれば、内省したい人もいる。
あなたはどのAIの癒しを選びますか?
その選択自体が、今の自分が何を求めているかを教えてくれるのかもしれません。
この記事で紹介した各AIの「癒しボタン」ページは、実際に体験いただけます。
ぜひ押してみて、あなたに「ちょうどいい」言葉を見つけてください。
※以下は、この記事で扱った「癒しボタン」をそのまま体験できるページリンクです。
Manusのバイブコーディング
Geminiのバイブコーディング
Perplexityのバイブコーディング
Claudeのバイブコーディング
Grokのバイブコーディング
ChatGPTのバイブコーディング
Copilotのバイブコーディング
Meta AIのバイブコーディング
各公式サイトへのリンク集
- Munus公式サイト(相互に500クレジットを獲得できるかも)
- Gemini公式サイト
- Perplexity公式サイト
- Claude公式サイト
- Grok公式サイト
- ChatGPT公式サイト
- Copilot公式サイト
- Meta AI公式サイト
ぜひ、気になるAIがあったらチェックしてみてください!
2025年、年末にManusがMetaに加わると告知がありましたね!😳
この記事を書いた直後でした。
