最近、「AIに相談すると少し気持ちが楽になる」という声を見かけるようになりました。けれど実際に使ってみると、どこかしっくりこないと感じることもあります。
今回は、GoogleのNotebookLMを使って、自分が共感したり「いいな」と感じる人の考え方を読み込ませ、自分好みのアドバイザーとして相談してみました。ただ答えをもらうのではなく、「どんな思考で返してもらうか」を選ぶことで、AIとの関係は少し変わるのかもしれません。その体験をもとに、AIは本当に癒しになるのかを考えてみます。
AIに癒しを求める人が増えている理由
ChatGPTとの対話で「少し楽になる」と言われる背景
AIに悩みを相談すると、24時間いつでも返事が返ってくる。相手の都合を気にしなくていいし、何度同じことを聞いても嫌な顔をされない。そんな手軽さが、多くの人に「少し楽になる」と感じさせています。人間関係のストレスから少し距離を置けるのが、AI相談の魅力のひとつでしょう。
人に話すほどでもない悩みとAIの距離感
「親や友人に言うほどでもない」「専門家に相談するほど深刻じゃない」——その中間にある小さなモヤモヤに、AIはちょうどいい相手になります。深刻にされすぎるのも、軽く流されるのも嫌。その程度の悩みに、AIはちょうどいい距離感で応じてくれるのです。
それでもどこか物足りなさを感じる理由
一方で、「優しく励ましてくれたけど、なんか違う」「正論すぎて、心に響かなかった」という経験はないでしょうか。AIは「一般的に正しいこと」を返してくれるけれど、自分が本当に欲しかったのは、もう少し自分寄りの考え方だった——そんな物足りなさを感じることもあると思います。人間に相談するとき、「この人ならこう言ってくれそう」と相手を選ぶのと同じように、AIにも「どんな考え方で答えてほしいか」を選べたら、もう少ししっくりくるのではないでしょうか。
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ChatGPTとの違い|共感型と分析型
ChatGPTは膨大な学習データから、汎用的で共感的な返答をしてくれます。一方、NotebookLMは「自分がアップした資料だけ」を参照して答えるのが特徴です。
- ChatGPT: 「多くの人の考えの平均」に近い返答
- NotebookLM: 「自分が選んだ思考」だけを反映した返答
NotebookLMの特徴は「与えた情報だけで答えること」
NotebookLMに渡すのは、YouTubeの文字起こし、ブログ記事、PDFなど。「この人の考え方が好き」「この著者の視点が参考になる」と思うコンテンツを読み込ませることで、その人っぽい考え方でアドバイスをもらえます。ネット全体の知識ではなく、自分が選んだ「ソース」だけを使うのが大きな違いです。
なぜ「思考ベースの相談」に向いているのか
悩みへの答えそのものより、「どのような考え方でその答えに至るか」が重要だと感じることがあります。NotebookLMは、読み込ませたコンテンツの論の進め方や語り口を反映するため、「この人の目線で考えてもらう」という体験に近づきやすいです。
自分好みのアドバイザーを育てるという使い方
共感できる「考え方」を読み込ませる
自分が「この人だったらこう考えるだろうな」と想像できる人のコンテンツを選びます。著名人でも、身近な人のブログでも、「この人の考え方には共感する」というものを集めます。答えの正しさより、思考プロセスに共感できるかがポイントです。
操作はシンプル|URLを貼るだけで取り込める
NotebookLMの使い方はとてもシンプル。ノートブックを作り、参照させたいWebページのURLやPDFを追加するだけ。数クリックで、その内容をベースにしたAIが立ち上がります。
大事なのは「誰の言葉か」ではなく「どんな思考か」
有名かどうかより、「論理的に整理する人なのか」「感情に寄り添う人なのか」といった思考の傾向が大切です。自分が相談したいときに「こういう風に考えてほしい」と思うスタイルを、読み込ませるコンテンツの選び方で調整できます。
実は、このアイデアを思いついたとき、「これはすごい発見かも?🤩」と思ったのですが、すでに同じように「憧れの人をメンターのように再現する」という使い方が紹介されていました。ビジネスパーソンからアドバイスをもらう、という活用です。
わたしの場合は心理的な整理に近い使い方だったので、“どんな考え方を選ぶか”によって、受け取る感覚は少し変わるように感じました。
実際のNotebookLMへの相談方法
Googleのアカウントを使ってスマホで気軽に行えます。
アプリのダウンロード画面:https://notebooklm.google/app

NotebookLMを使った相談①
スタート画面

NotebookLMを使った相談②
ソースを入力する画面

NotebookLMを使った相談③
回答画面
ここでは、1つの入力ソースをメモにしましたが、いくつかソースを追加することでより多彩な回答を得られます。また、NotebookLMには音声として聞ける機能もあり、内容を“読む”だけでなく「聞く」こともできます。こうした形で取り込むと、また違った受け取り方ができるのも面白いところです。
実際に相談してみて感じたこと
優しいAIとは違う、少し冷静な返答
ChatGPTさんのように、ひたすら肯定してくれるわけではありませんでした。「ソースによると」といった読み込ませた人の視点に沿った、少し距離感のある、整理された返答が返ってきます。優しさよりも、「考えを整理してくれる」感覚が強かったです。
思考を映すような感覚と気づき
返答を読んでいると、まるで「この人がこう考えそう」というイメージが文章になっているような感覚がありました。自分ひとりで考えるより、思考のパターンが少し借りられる。そのおかげで、自分では気づかなかった視点に触れられることもありました。
相手の人格そのものではなく、その人の「考え方の型」を借りるような——そんな新しい相談の形を感じました。
癒しというより「整理」に近い体験だった
NotebookLMの実直な機能により、「頭の中がスッキリする」という感覚に近かったです。悩みを言語化し、論理的に並べ直してくれる。その結果として、気持ちが楽になる——そんな体験でした。
AIに答えを求めるというよりも、「どんな考え方で自分を見つめるか」を選んでいるのかもしれません。そう考えると、この使い方は「相談」というより、自分の思考を少しだけ整えるための時間に近いようにも感じました。
もともと、「いいな」と感じる言葉があって、少し迷ったときに「こういうとき、あの人たちならどんなふうに考えるんだろう」と思ったのがきっかけでした。
まとめ|AIは癒しになるのか
AIは答えをくれる存在ではない
AIは「正解」を出してくれるわけではありません。でも、考える手伝いをしてくれる存在にはなれます。特にNotebookLMのように、自分が選んだ思考で返してくれるAIは、単なる情報源ではなく、「一緒に考える相手」に近い印象でした。
「どんな思考で答えてもらうか」を選ぶこと
大事なのは、答えの内容だけでなく、「どんな考え方で返してもらうか」を自分で決められること。NotebookLMでそれを体感しました。同じ悩みでも、参照させるコンテンツを変えれば、返ってくる視点は変わります。
AIとの距離感は自分で決めていい
AIを頼りすぎるのも、逆に敬遠するのも、それぞれの選択です。癒しを求める人も、整理ツールとして使う人も、使い方は自由。大切なのは、自分にとってちょうどいい距離感を、自分で見つけていくことだと思います。
