ネットショップ外注で失敗しないために|私が15年の現場で見てきた7つの落とし穴

ネットショップ外注で失敗しないために|私が15年の現場で見てきた7つの落とし穴

ある日、実際に私のところへ来た相談です。
「100万円かけてホームページを作ったのに、まったく集客できないんです」

この記事では、WEBデザイナーとして15年以上、小さなお店のサイト制作に関わってきた私が、現場で実際に見てきた「7つの落とし穴」をお伝えします。
これから外注を考えている方は、契約前にぜひチェックしてみてください。

はじめに|なぜ外注で失敗するのか

「100万円かけてホームページを作ったのに、まったく集客できないんです」

ある日、整体院の院長さんからそんな相談を受けました。
サイトを見せてもらうと、デザインは確かに凝っている。写真もきれい。技術的には申し分が無いほどの出来栄えでした。
でも、よく見ると「ただの会社案内」になっていて、予約につながる導線がどこにもない。院長もブログを投稿していない。聞けば、制作会社に「おまかせ」で依頼したとのこと。こういう話、実は珍しくありません。私はWEBデザイナーとして15年以上、小さなお店や個人事業主のネットショップ・ホームページ制作に関わってきました。その中で「外注で失敗した」という相談を、何度も受けてきました。失敗のパターンには、共通点があります。ここからは、私が現場で見てきた「7つの落とし穴」をひとつずつ解説します。

落とし穴①|ドメインとサーバーが自分のものになっていない

これは意外と多いトラブルです。ドメイン(例:example.com)とサーバーは、ネットショップの「住所」と「土地」のようなもの。長く運営するほど、検索エンジンからの評価や、お客様からの信頼が蓄積されていきます。

ところが、安価な制作サービスの中には、ドメインやサーバーが業者名義で契約されているケースがあります。この場合、何が起きるか?

  • 業者との契約を解約すると、サイトごと消える
  • 別の業者に乗り換えたくても、ドメインを持ち出せない
  • 長年育てた「ネット上の住所」を失う

ある方は、長く運営してきたサイトを、業者とのトラブルで手放すことになりました。

確認ポイント

契約前に「ドメインとサーバーは自分名義で契約できますか?」と必ず聞いてください。管理が面倒なら運用を代行してもらうのはOKですが、名義だけは自分にしておくこと。これが鉄則です。

落とし穴②|バックアップが受け取れない

落とし穴①が「住所と土地の所有権の問題」だとしたら、ここでの話は「中にある資産(データ)の問題」です。

「解約したいのですが、サイトのデータをもらえますか?」「それはお渡しできません」こんなやり取りも、実際にあります。サイトのデータ(画像、文章、商品情報、デザインファイルなど)は、あなたのビジネスの資産です。でも、契約時にデータの取り扱いについて確認していないと、「解約=すべて消える」という事態になりかねません。安価なサービスを契約した場合は特に注意が必要です。

確認ポイント

  • 解約時にデータ(画像・テキスト・サイトデータ)を受け取れるか
  • 定期的なバックアップは取られているか
  • バックアップデータの引き渡し方法は決まっているか

私のところに相談に来た方で、5年間コツコツ育てたサイトを、業者とのトラブルで手放すことになった方がいます。正直、この時点で「大丈夫だろう」と思ってしまう方が一番危ないです。
実際に、解約=全データ消失になったケースを私は何度も見ています。

落とし穴③|月額費用の内訳が不透明

制作が終わった後、「月額の保守費用」を契約することもあるでしょう。サイトの管理やトラブル対応を任せるなら、費用がかかるのは当然です。
ただ、問題になるのはその中身。

たとえば「月額15,000円の保守費用」と言われて契約したものの、実際に何をしてくれているのかわからない。聞いてみると——
ドメイン代やサーバー代を代行で契約した外部の制作者がざっくり上乗せしていた、ということを実際に聞いたことがあります。でも実際の経費はこういうものです。

  • ドメイン代:.comで年間1,500円程度
  • サーバー代:月1,000円程度

何かがあった時に困るので契約しておこう、と考えて「サポート費」の中身が曖昧なまま契約してしまうと、「何もしないのに毎月お金だけ取られている」という状態になることもあります。

もちろん、WordPressやShopifyなどアップデートが多いサービスであればそれなりに管理費を払っておくことは安心材料になりますが、何を担保してくれるのかは事前に知っておきたいものです。

確認ポイント

  • 保守費用に何が含まれているか、具体的に聞く
  • ドメイン代・サーバー代は、管理上の上乗せがどのくらいあるか
  • 費用内でアップデート対応やトラブル時の対応範囲はどこまでか
  • 解約時の条件も確認しておく

安いから悪い、高いから良い、ではありません。内訳が明確かどうかが大事です。

落とし穴④|自分で更新できない設計になっている

「商品の価格を変えたいんですが、いくらかかりますか?」「テキスト修正1箇所5,000円です」こう言われて驚いた、という話も聞きます。ネットショップは「作って終わり」ではありません。商品を追加したり、価格を変えたり、お知らせを更新したり。日々の運営で手を加える場面はたくさんあります。それなのに、更新のたびに業者に依頼しないといけない設計だと、時間もお金もかかります。小さな変更をためらって、情報が古いまま放置されているサイトも少なくありません。

確認ポイント

  • 商品登録や価格変更は自分でできるか
  • 管理画面の操作マニュアルはもらえるか
  • 更新を依頼する場合の料金表はあるか
  • 自身はどのくらいサイト更新に時間をかけられるのか

もちろん「運営に集中したいから更新は全部任せたい」という考え方もあります。それならそれで大丈夫です。大事なのは、最初から選べる状態になっているかです。

大金をかけて制作されたものの、放置されることって本当によくあります。
委託を受けてYahoo!ショップを立ち上げた時、ずっとダミーのテキストのままになっていて驚いたことがありました。

落とし穴⑤|納品後のサポートがない

納品されて1週間。「あれ、ここの表示がおかしいな」と気づいて連絡したら——「納品後の修正は別料金になります」「契約は終わっていますので、見積もらせてください。」え、聞いてない。こういうトラブルも多いです。サイトは公開してから気づくことがたくさんあります。スマホで見たらレイアウトが崩れていた、お問い合わせフォームがエラーになっていた、など。
公開直後の「初期不良」に対応してもらえるかどうかは、事前に確認しておくべきです。

確認ポイント

  • 納品後の無料サポート期間はあるか(例:1ヶ月、3ヶ月)
  • どこまでが無料対応で、どこからが有料か
  • 問い合わせ方法(メール・電話・チャット)と対応時間

「納品して終わり」ではなく「納品がスタート」と考えてくれる業者を選びたいところです。

落とし穴⑥|セキュリティ対策が甘い

これは見えにくい問題ですが、実は深刻です。特にWordPressのようなオープンソース型のシステムは、定期的なアップデートやセキュリティ対策が欠かせません。放置していると、サイトが乗っ取られたり、お客様の情報が漏洩するリスクがあります。ある方は、制作から2年後にサイトが改ざんされ、復旧に数十万円かかりました。原因は、WordPress本体とプラグインが一度も更新されていなかったこと。制作会社に確認したら「保守契約を結んでいないので対象外です」と言われたそうです。

確認ポイント

  • 今後の更新についての説明はあるか
  • 保守契約が必要かどうか、またその内容
  • セキュリティ対策(SSL、アップデート)は誰が担当するか
  • 万が一のトラブル時の対応範囲

「作ってもらったから安心」ではなく、無理なくどう守って育てていくのかを明確にしておきましょう。

落とし穴⑦|「作ったのに売れない」問題

最後に、これ。サイトは完成した。デザインもきれい。決済もできる。なのに、売れない。これは外注先だけの問題ではありませんが、「作れば売れる」と思っていると、大きなギャップに苦しむことになります。冒頭の整体院の例もそうでした。見た目は立派だけど、「誰に」「何を」「どう届けるか」が設計されていなかった。本当に必要なのは、「きれいなサイト」ではなく「成果につながるサイト」です。

確認ポイント

  • 制作前に、ターゲットや目的についてヒアリングがあるか
  • 「作った後どうするか」の提案があるか
  • 集客や導線についてアドバイスをもらえるか

制作費だけでなく、公開後の運営まで見据えた提案をしてくれるか。ここが、信頼できる外注先を見分けるポイントです。
「作れば売れる」と思っている限り、どんな制作会社に頼んでも、結果は変わりません。

まとめ|外注は「丸投げ」ではなく「一緒に作る」スタンスで

7つの落とし穴を振り返ると、共通しているのは「確認不足」と「おまかせ」です。

  • 聞かなかった
  • 読まなかった
  • 任せきりにした

その結果、後から「こんなはずじゃなかった」となる。私自身も制作者側のひとりとして仕事をしてきましたが、外注そのものを否定したいわけではありません。
ただ、「聞くべきことを聞かないまま契約する外注」は、ほぼ確実に失敗します。

プロの力を借りることで、自分だけでは作れないものが作れます。ただ、「丸投げ」ではうまくいかない。どんなサイトを作りたいのか。誰に届けたいのか。作った後、どう育てていくのか。そこを一緒に考えてくれるパートナーを選んでください。

私自身、外注で失敗した人の相談を受けるたびに「契約前にこれを知っていれば」と思います。
外注を考えているなら、契約書にサインする前に、この記事をもう一度読み返してください。

契約前チェックリスト

最後に、今回の内容をチェックリストにまとめました。契約前にひとつずつ確認してみてください。

チェック項目確認済み
ドメイン・サーバーは自分名義か
バックアップデータは受け取れるか
保守契約時:月額費用の内訳は明確か
自分で更新できる設計か
納品後のサポート期間と範囲は明確か
セキュリティ対策の担当は決まっているか
公開後の運営について相談できるか

ひとつでも不明なら、契約前に必ず確認をしましょう。